その他

その他の症例を紹介します。

その他 – 手首痛1
四十代 男性

症状
数ヶ月前にオートバイを運転していて側道から車が飛び出してきて急ブレーキの結果、右手首が痛むように。
手首を内側に回すと激痛が走る(ネジを緩める方向に回すことができない)。

診断と治療
右手はアクセルの側で、急制動の際には離さないといけないが、同時に安定したブレーキングのために握り締めないといけない。とっさの時、その折り合いがうまくいかずに、尺骨側のスジ(腱)を伸ばしてしまったものと診る。
こういうケースでは、このスジだけでなくて、そのスジを含む経脈全てで反応が出ているはず。
経脈全体を整えるツボ(原穴という)に鍼を打った。その経脈全体に強いひびきが生じたが、それによって早めに治癒した。

使用した主なツボ
右神門、右心兪

考察
2度の治療で痛みなく手首を回すことはできるようになった。ただし、怪我をしたのが手首だけであっても、手や腕の大もとである背中に反応が出ているケースもよく見受けられる。引き続き経過観察が必要になってくる。
また、スジの疾患では、スジを伸ばした状態で、鍼を打つと効果的であることがわかっているので、このケースでもそのように刺針した。

 

ゴルフ肘(手首痛2)
三十代 女性

症状
左手首をゴルフのプレーで痛めた。内側に曲げる(屈曲)のも、外側に反らす(伸展)のも痛くなった。さらに、その痛みを抱えたまま仕事で手首を酷使しようとしたために、右側や背中にもひきつるような痛みが生じている。どこを触っても痛い。

診断と治療
仰向けで寝るのも背中がつりそうというので、まずはその激しい症状を鎮めるために、上にのぼりつめた気を下におろす鍼を打ち、マッサージ。
からだがある程度鍼を受け入れられる態勢になってから、手首痛を引き起こしている経脈の調整、同時に背中や右半身の治療に入った。
調整の施術では、手首ではなく、肘・肩・背中に注目。2回で痛みが消失して、またゴルフのプレーができるようになった。

使用した主なツボ
足三里L、外志室LR、曲沢(向少海)L、心兪L、肩グウL

考察
痛みをがまんして、よくないからだの使い方をしていると、全身にその影響が及ぶ恐れがある(永くそういう状態を続けていると病が深くなって内臓にまで)。そうならないためにも、お早めの来院が望ましいです。

 

かかとの痛み
三十代 女性

症状
右かかとが痛い。立ち仕事(調理師)でかかとが地面についていると痛む。歩くのがとても痛くてつらい。

診断と治療
痛みはかかとの内側が一番強かった。かかとの内側と地面に接する部分は腎経という経脈が支配している。
この腎経を調整する鍼を打ち、痛みは軽減。
残る痛みは、直接かかとの骨である踵骨にあてるような鍼を打つことで、消失した。立っても歩いても痛みはなくなった。

使用した主なツボ
復溜R、下太谿R(刺し下ろし)

考察
調理場は上半身が暑く、下半身が寒い。足元からの冷えは、骨を伝って腰まで昇ってくる。それにより骨をつかさどる腎経という経脈に問題が生じ、かかとの痛みとなって発現したものと考える。
この経脈を元気にする鍼を打ち、さらに冷えの大元であるかかとの骨を温めるような施術を行うことで痛みは消失する。
ただ今後、職場での労働環境にあわせた対策を考える必要はある。

 

目の痛み(表面)
四十代 女性

症状
目が痛い、あけていられない。表面がヒリヒリする。目薬をさしても効果がない。特に、目を傷つけるようなことはしていない。

診断と治療
こちらの女性は、足のだるさも訴えていたため、その経脈を調整する鍼を打ち、さらに大腿部を軽くマッサージすることで、目の痛み(と足のだるさ)が消失した。

使用した主なツボ
足三里R、伏兎LRあたり

考察
目にも経脈が通っており、目を支配する臓腑もある。経脈や臓腑を調整することで、目の症状が改善することはよくある。
ちなみに、目には複数の経脈がかかわっている(主なものは膀胱経、胃経、肝経)。こちらの方は、胃経という経脈の問題で
足のだるさと目の痛みが同時に生じていたものとみて、それを調整した。
ところで、これらの経脈に鍼をするとドライアイが改善することもよくある。

 

目の痛み(奧、眼精疲労)
六十代 男性

症状
パソコンで論文や書類の細かい字をたくさん読むので目が疲れる(眼精疲労)。目の奥に痛みを感じることもある。頭も重だるい。

診断と治療
全身調整の一環として、まずはお腹を通る経脈を使って治療。そして背中の経脈をつかって背中や腰をゆるめ、最後に眼精疲労を治療した。

使用した主なツボ
全身調整の一環として、まずはお腹を通る経脈を使って治療。そして背中の経脈をつかって背中や腰をゆるめ、最後に眼精疲労を治療した。

考察
頭の重だるさは、お腹を通る経脈を調整することで軽減する。そしてその経脈は目にも通っているので目の違和感にもよい影響を与える。
さらに、目の奥は別の経脈が通っていて、その経脈のツボを使うと目の奥の痛みや違和感などに著効がある。
病いには複数の側面がある。それらを把握して治療をする必要があると考える。

 

肺マックと肩痛
七十代 男性

症状
肺マック症に罹患後、数ヶ月経過したところで左肩と首の激痛が発症。寝ても起きても痛い。
(胃がんと食道がんの既往があり、胃は全摘している)

診断と治療
肺マック症は、からだの抵抗力が低下しているときに非結核性抗酸菌に感染して結核様の症状がでる、最近注目されている病気である。
何度も訪問、胃腸を調整する鍼を打ち、同時に脊際のコリをゆるめてやることで、肩・首の痛みはほぼ消失した。

使用した主なツボ
曲池LR、足三里LR、脊際の阿是穴LR

考察
肩は、東洋医学的には、肺がその機能を司っていると考えている。肺マック症で肩にコリや痛みなどの症状がでるのはめずらしいことではない。
今回は、低下した抵抗力を補う目的で胃腸を調整したが、それは同時に、脾(消化器全般の基本機能を包含する臓)を治療することになり、そして脾と同じ属性を持つ肺を治療したことになり、それが肩にもよい影響を及ぼした。
また、咳や苦しい呼吸で凝り固まった背骨まわりのスジを緩めることで、さらによい結果をもたらしたと考えることができる。

 

パーキンソン症と腰痛
七十代 女性

症状
パーキンソン症と診断され治療を受けているが、本来初期のパーキンソンの症状ではない、極端な前傾姿勢と腰痛が顕著。
病院ではヘルニアだと言われている。

診断と治療
お腹のスジ(腹直筋)の左側が極端に緊張してカチカチになっている。まずはこれを緩める施術を行った。その上で、背中にも刺針して痛みを生じているスジを特定、これを緩めた。
一時的に前傾と腰痛は改善した(が、日常生活でまた元に戻ってしまう。何度か施術を積み重ねる必要がある)。

使用した主なツボ
曲沢R、曲池L、足三里LR、太衝R、腰眼LR、脊際の阿是穴

考察
パーキンソン症は、屈筋と伸筋の連携がうまくいかなくなる病気である。本来、屈筋が働くときは伸筋は緩和しないといけないし、逆もしかりである。
こちらの患者さんは、家事の動作や階段の昇り降りなどで、屈筋と伸筋を同時に緊張させて、からだを過度に硬くしてしまい、その結果、腰痛(そして前傾)が発生したものと思われる。

 

耳鳴り
四十代 女性

症状
季節の変わり目の冷たい風に当たってから、からだの調子がわるくなった。頭が重く、耳鳴りがひどい。

診断と治療
お腹はやわらかいが弾力が無い。水を触っているような感触がある。あまりおしっこが出ていない。
背中から灸頭鍼で骨をあたためるような施術をした。また左足の外側のスジが張っている。これらを治療して、耳鳴りの改善をみた。

使用した主なツボ
腎兪L、陰陵泉LR、太白LR、外志室L、丘墟L

考察
耳鳴りでよくあるのが、内耳の器官の水の量が適正でないとき。聞こえる音が篭ったようになる。
こちらの患者さんは、からだの水分代謝がうまくいっていなかったので、それをまずは全身調整をして改善し、さらに耳に深い関係がある胆経(からだのスジを支配する)のツボを刺激して、症状を緩和した。

 

メニエール
四十代 女性

症状
めまいがひどく、嘔吐した。病院で数々の検査を受けて「メニエール」と診断された。耳は塞がったような感覚がある。
起きあがっているときに目の焦点が合わないでめまいがする。寝ているときは問題ない。また目を瞑っていても問題ない(目を閉じていてもめまいを感じる患者さんもいる)。

診断と治療
お腹にスジっぽくて硬いものがある。また下半身にはちからもなく冷えており、気が頭のほうに上昇しているよう。
お腹をゆるめつつ、昇った気を下にさげるような施術を行い、すっかりよくなった。
耳が塞がったような感覚も、めまいも、この方の普段のからだの使い方に問題があるとみた。
歩き方やセルフケアの指導を行った。

使用した主なツボ
曲池LR、足三里LR、陰陵泉LR(灸頭鍼)、心兪LR

考察
お腹の調子があまりよくなく(ご本人にはその自覚はほとんどないが)、そのためにお腹が硬くなって、お腹をとりまく筋肉やスジに負荷がかかっていた。
加えて、普段の立ち方、歩き方に問題があったために、からだの内と外のバランスが崩れていき、それがさらなる筋肉やスジへの負担となっていた。
からだの側面を走行する筋肉・スジは、耳と深い関係がある。スジの調整と水分の排出を行うことで、メニエール様の症状は緩和した。

 

手親指の異常
四十代 女性

症状
お箸を持って動かすときに、うまくモノをつまむことができない。親指の動きがおかしい、という。

診断と治療
お箸でモノをつまむときは、拇指(親指)・示指(ひとさし指)・中指の三本の指を正しく動かす必要がある。
拇指は太陰肺経、示指は陽明大腸経という経脈が走行しており、これらの経脈を調整することで拇指・示指の動きを改善した。

使用した主なツボ
曲池LR、足三里L、外志室R、合谷LR

考察
こちらの患者さんは、しばらく前に、右下の奥歯を入れ歯にして、それがあまり具合がよくなくて普段着けていなかった。
それで左の奥歯を使うか、右で噛むときもアゴをずらして咀嚼していたという。
東洋医学では下アゴの歯は、陽明大腸経という経脈がつかさどると考えており、その経脈は手の示指を走行している。
(大腸経と表裏をなす、太陰肺経は手の拇指を走行している)
大腸経と表裏の肺経、そして同じグループの胃経を調整して、動きは改善した。
今後は、奥歯の入れ歯を調整してもらい、ただしく咀嚼するようにする必要があると考える。

 

右手親指の痛み
四十代 男性

症状
右手親指を内側(小指側)に倒す動作(内転)すると付け根が痛む。じっとしていても痛い。冷えると特に痛む。

診断と治療
親指には太陰肺経という経脈が走行しており、また肺経と表裏の関係にあるのは陽明大腸経。
太陰に属する経脈、陽明に属する経脈を探って、それぞれ問題があるところを同時に調整し、その場で痛みは消失した。

使用した主なツボ
曲池LR、下巨虚LR(直刺で脾経に効かせる)、胃経の阿是穴L(直刺で三陰交Lに効かせる)

考察
からだに陰陽(上は陽、下は陰、オモテは陽、ウラは陰、など)があるように、病気にも陰陽がある。
動かして痛いのは陽の病、じっとしていて痛いのは陰の病。
このケースでは、陰と陽の両方の病にそれぞれ治療が必要であると考えて、陽経のツボから陰経のツボに向けて刺針、両方に同時に効かせて治療した。

 

冷え
六十代 女性

症状
足が冷える(足首から先)。足の指が硬くて曲がりにくい。首・肩もつらい。

診断と治療
足の指の、冷えが先か硬いのが先かと考えて、硬いのを先にとることにした。まずはスジをゆるめることで血や気の流れが改善し、その場で温かくなった。首・肩のつらさもよくなった。目もパッチリ、顔つきもスッキリしていた。

使用した主なツボ
丘墟L、足三里L、下巨虚L(脾経に向けて直刺)、心兪LR

考察
冬は寒さが原因でスジが硬くなり、そのせいで気血の交流が阻害されていたるところに問題がでることが多い。
こちらの患者さんでは、冷えと首・肩のつらさというかたちで現れた。
寒さや冷えをお灸などで温める方法もよいが、気血が滞っているところを流してやるだけで大きく改善するケースもよくある。丘墟でスジをゆるめることで劇的によくなった。

 

手親指の異常(上記の女性の続き)
四十代 女性

症状
お箸の動きがうまく出来ない患者さんのその後。しばらくよかったが、また戻ってしまった。拇指の動きがスムースにできない。ファスナーを摘んで下ろすときに爪を立てないと出来ない。

診断と治療
前回と同様に、曲池などで経脈の異常を整えたが、ヘソのキワに硬いスジが残っているのを発見、これは太陰肺経(拇指)、陽明大腸経(示指)といった経脈以前に、冷えが関係しているのではないかと診断、聞くと、入浴は朝のシャワーのみだという(季節は冬)。そもそも手が冷たい。
骨に効かせる鍼と背中の灸頭鍼ですぐに改善、手も温かくなった。

使用した主なツボ
丘墟L、足三里L、下巨虚L(脾経に向けて直刺)、心兪LR

考察
冷えは万病のもとというが、病の根っこに冷えがあることは非常に多い。表面的な動作や痛みなどを改善しても治りきらないケースでは特に多い。
こちらの患者さんでも同様で、動作をつかさどる肺経・大腸経のほかに、寒さや冷えに関連の深い少陰腎経の調整をすることで、根本治療を目指すことができる。
もちろん、しっかりとお風呂に入り、日常生活を改善することは必須である。

 

多発性硬化症
五十代 男性

症状
多発性硬化症。国指定の神経難病。なんとなく頭がフラフラ、クラクラしていて、首を前屈すると手足がしびれる。
突然倒れたりする。意識ははっきりしている。
そのうち、手足の感覚がなくなってきて、うまく歩けなくなってきた。物をつかむのもうまくいかない。日常生活に影響がでてきていてひどく怯えている。

診断と治療
病院での治療(パルスなど)と並行して、長期間の鍼灸の治療を行った。また、食養生や呼吸法などを指導し、全身を調整することを心がけた。
通常は再発することが多いこの病気だが、現在のところ再発はしていない。

使用した主なツボ
足三里LR、丘墟LR、曲池LR、尺沢LR、完骨LR、風池LR、太谿Lなど。

考察
自己免疫疾患と言われている多発性硬化症であるが、ストレスなどの要因でからだのバランスがくずれて、自己の免疫が自分のからだを攻撃することで発症するものといわれている。
病気を直接たたくのではなく、鍼灸と養生などでからだのバランスを整えることが、唯一にしてもっとも早い治療法であると考える。

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